■4/7(金)カイトの修理についていろいろ、土砂降りだったので。
梅雨のような土砂降りだったので、ショップにこもってカイト修理。
最近、時間をみつけて修理ばかり。メンバーさんの破れてしまったカイト、エア漏れ。スクール用カイトのメンテナンスなどなど。
きりがないですね~(^o^;)
この日はカイトの裂け(かなり狭い範囲)とエア漏れのバルブ交換作業をしました。
50cmほどのパネルの裂け。裂けの範囲としては狭いほうですね(^o^;)、先日のアニーちゃんの17平米は4m!!!!も縫いましたから。。。
昨年は70枚ほどカイトの裂け、破れの修理をしました。6年前からカイト修理してます。この位、経験を積むと色んな事がわかってきます。
*(2021年7月現在、最近は1ヶ月で30枚以上はメンテナンス&修理しています。)
例えば、裂けた原因。直接は落とした瞬間に裂けた、とか色々、理由はあるのですがそれでも予兆というか、ひょっとするともっと前に原因があったのかも。
たとえば↓、この裂けたエリアはキレイに裂けてますね。
こちらは、ちょっとジグザグ、荒く裂けてます。切れたトコロも荒いですね。
これは何処のエリアか?というと、この辺りです。
荒く裂けた部分は、実は最初に少しキズがあった部分かもしれません。カイトのリーディングエッジに近い部分、浜にカイト置いた時、落としたとき、たたむときなどに、気づかないウチに1cmくらい最初に裂けを作ってしまっていたのかなー?なんて予想できます。
カイトはリーディングエッジに近い部分になればなるほどパワーが掛かります、逆に端っこやトレーディングエッジはあまり力が掛かりません。
↓こんな感じです。なので、今回の荒く裂けたあたり、リーディングエッジに近くパワーが掛かるエリアに、数センチ?の裂けがあると、そこをきっかけに衝撃があると大きく裂けが広がる。。。そんな感じのイメージです。
原因を今更しっても仕方ないですけど(^o^;)、今後、カイトをたたむ時や、浜へ落とし方をした時には、チェックして防ぐようにすると大きな裂けを防ぐことが出来るのでは?と思ってます。
そんな事を考えながら、修理開始。最初に一番面倒なのは、とにかく砂がポロポロ出てくること。掃除してから渡してね、、、といってもそれでも砂が出てきます。ミシンとか床とか、砂だらけになります(´・ω・`)
なので、カイトの掃除。それから、裂け面をキレイにすること。バリというか裂けた時の糸のキレ端をキレイに切り落とします。
↓の写真の糸みたいなのが出てるのが、テイジン製の生地だと「リップストップ」という縦横に格子状に張り巡らされて、パネルの強度を作っている細い糸状のものです。この「リップストップ」をブチ切りながら、カイトは裂けていくのですね。
余談ですが、このカイトは数年前のものなので、縦横一本づつの格子状になった「リップストップ」ですが、最近は縦横2本づつの格子になった「リップストップ2」というのが採用されて、より丈夫になってます。
さらに2017年モデルのNAISHはテイジンと共同開発?したらしく「quad tex」クアッドテックス=4本の糸で格子状にしてより丈夫にしている生地を採用しています。来季からは他のメーカーも採用するのかな?
で、これをキレイに切りそろえたら、脱脂。僕はプレソルベントという塗面洗浄剤を使ってキレイにしてます。
これが終わったら、縫う面の逆側からマスキングテープで裏張り(位置あわせ)。ちなみに縫うのは大抵、風を受ける側の面(カイトの裏面、バテンとかある方だけです)。表側(カイトを置いたときに上になる側)にテープは極力貼りません。
理由は、強度は片側だけで充分だからです。他にも、見た目が悪くなるとか、重くなるからとか色んな理由がありますが。
最終的に裏側にテープを貼って縫うのは、風を受けてはらむ側だからです。そちらをしっかり補強した方がいいですから。
で、↓がマスキングテープで裏張り。
実はこれが、全作業で一番大切!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!この裂けの左右が少しでもズレると、そのせいで生地のバランスが崩れて、直しても直ぐにまた裂ける、なんてことになります。
(*勿論、どれだけ修理をキチんとしても生地が傷んでいれば修理した以外の箇所や、すぐ隣が裂けるなんてこともあります。)
それでも、職人的にいうと、ここを如何に丁寧にやるか?が最重要ポイント!慣れてきちゃうとマスキングの裏張りナシで、一発で縫う側にテープ貼ることもできるのですが複雑な裂け方とか、裂けというか穴の開くような破れの場合は、この作業が必須です。めっちゃ気を使います。
その後、ひっくり返してやっと縫う側にテープ貼り。
このテープの幅も場所や破れ方にもよりますが、最細で1.5cm位の幅のテープを貼って縫う場合もあります。縫いに比べたらテープの粘着力は微々たるものです。しっかりと縫えてれば、それ以外のテープの幅や粘着はムダで、重さもジャマ、見た目も悪い、ということで極力細く仕上げるようにしています。
次はいよいよ縫います、ここまでの作業に比べると、むしろ縫う方がホッとします。糸はポリエステル100%の60番で。
縫う方式、縫い方、順序などもテキトーにやると縫いのバランスが崩れるのでそこも丁寧に。
糸の色も生地にあわせて変えます。生地の色をまたいで色を使ってたりするカイトが裂けると結構メンドくさいです、状況に応じて(^o^;)
たまにこの場所目立つ!!ってところで裏と表で、色が違う場合があります、そんな時は縫いの上糸と下糸の色を変えて、どちらから見ても目立たない!!!という、ここまでやるか!?というめっちゃ丁寧な作業することもありますが、そこまで拘ってるのは多分、僕くらいだとは思います。
綺麗に直ると、どこを直したかわからなくなるほどです。カイト広げてどこをなおしたか探しまわることもあるくらい(^o^;)
キレイにそして、少なくとも「修理箇所が、また壊れる」という事のないように丁寧になおしてます。
ちなみに費用は、この作業で4320円です。 ナイスカイトメンバー割引きというのは
ウチで買ってもらったカイトは半額ですよ、ってことですm(__)m
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[内訳]
●基本料8~12平米 3000円
●パネル裂け修理
50cm×1000=5000円 (*10cmあたり=1000円)
計 8000円
[*ナイスカイトメンバー割引50%]8000円→4000円
税込 4320円
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お客さんの大事なカイトを預かって修理、、、けっこう気を使います。
下手すりゃ沖で、修理したカイトが壊れたら命に関わるし。。。なんて事を考えたり。
それに見合う代金なのかなー?と考えると悩ましいトコロです。
カイトの修理って、直すのはまだしも、その後のトラブルが怖いです。特にリーディングエッジの修理。。。下手すれば、最初の修理以上にぶっ壊れることもありますから(T_T)
思わぬ再トラブルが発生、みたいなこともありましたから。ホントはすぐにチェックしたりフォローできる地元の方、相手の修理の方が安心なのですけどね。
とはいえ最近はトラブルはゼロです。もうそろそろ、ちゃんと修理を請け負ってもいいかなーとは思っています。
元々は、連日良い風吹いてるシーズンに、カイトが壊れてよそに修理に出したものの長く時間が掛かってしまってカイトする機会を失う。。。というお客さんがいるのが嫌だったのでとにかく自分で直せるようにしました。もう自分で直し始めて6年くらい経ちますね。修理も奥が深くて面白いです、カイトの構造やパネルとパネルの繋ぎ方、メーカー毎の特長や、縫いや造り、素材の良し悪しをじーっくり確認しながら直すわけですから。
かなりカイトの構造、マテリアルについてしっかり把握できてるつもりです、ビーチでちょっとしたトラブルがあってもスグ対処できますし。
カイトボードのプロショップとしては損のない知識だなーって思うのですよね。
個人で直せれば良いのですけどね。テープ貼って縫うだけ。。。言ってみればそれだけ。なので、カタチ的にはできない事はないのですが、
自分もパネルの裂け修理だけでも結構、失敗してきました。下手な修理するくらいならやらない方がいいです、また別のところに裂けが広がるので。。。
やるなら完全自己責任ですね。
色々皆さん、事情もあると思いますので、修理とかで悩んでる方いましたら、まずはご相談だけでもお気軽にどうぞ。
バルブの修理、交換もBlogに書こうと思ったのですが、長くなりすぎたので
今日はこのへんで。
/かわじ